2010年11月22日月曜日

ヘカリスタイル

11月22日

昨夜はお風呂に入ってパソコンでDVDを見ました。
お風呂どころか温水シャワーも使えなかったし、それ以前に水じたいしょっちゅう止まっていたから、昨日は湯船に浸かりながら感激していました。

映画鑑賞に関してはマネージメントから「人の教育に悪い」とのことで禁じられていたので、
どうどうと見ることができてうれしかったです。
(パプアニューギニアでは部屋に閉じこもってイヤホン等で隠れて見たりしていました。)

さて、
まず始めに理解して頂きたいのがヘカリユナイテッドというチームのシステム。
このチームの特殊なところはそのマネージメントにあります。

女社長がいるんだけど、
その彼女がこのチームのすべてを仕切っている形です。
そして一番の問題がその本人がサッカーを全く知らないこと。

パプアニューギニアで一番熱いのはラグビー。
女性はネットボールというスポーツもあります。

最近はヘカリの活躍もあり、サッカーにも注目が集まってきていますが、それは新しい波にすぎなくて、パプアニューギニアサッカーの歴史はとっても浅いんです。

トップリーグのNSLも今年が5年目。
今のところヘカリが4連覇中で他にリーグを制したチームはありません。

自分が今回甘く見ていたのがこの女社長の権力。
今までの経験上マネージメントは裏で動くパターンが主流で、サッカーに関しては監督に任せっきりってのが多かったかな。
マネージメントが偉いと言っても監督にせいぜい提案するレベル。
今回のリタイヤはその彼女との問題が主な原因でした。

ヘカリでは練習のスケジュールから内容、試合のメンバー、スタメン、選手交代、更には食事の時間と内容、睡眠の時間、オフの活用法、そしてなんと選手のプライバシーまで彼女が支配しています。
また、彼女が支配して良いという契約書にサインさせられます。

練習に関してはどこで聞いてきたのか、最低でも一回2時間というのが最良と言われたらしく、ほぼ毎日がその上朝6時と夕方4時からの2部練(計4時間以上)。

スケジュールは毎週ほぼ同じで以下の通りです。

月曜日:朝走り、午後ボールを使った練習
火曜日:朝筋トレ、午後ボールを使った練習
水曜日:朝90分間の紅白戦、午後はオフ又は練習
木曜日:朝練習、その後プール、そして午後練習
金曜日:朝軽めのトレーニング(セットプレー中心)
土曜日:早朝ウォーキング、午後は公式戦
日曜日:オフ

といった感じです。

プレシーズン並みの練習量をこなすんだけど、問題がリカバリー。

しっかりとしたケアーとリカバリーの時間があればいいのだけど、このチームにはまずちゃんとしたトレーナーがいません。
だからマッサージ等のケアーは自分でやるしかない。

その上心身共にリラックスしたりリカバリーする時間がないこと。

「十分休む時間はあるでしょ!」って言われるんだけど、練習以外の時間を自由に使えないのが問題。

朝食、昼食、夕飯が全くのランダムで来るのが一つ。また、みんなで食べるので自分のペースというのは基本的にありません。

朝食:基本的に9時頃呼び出されるんだけど、食べ始めるのは9時から11時の間。
昼食:12時予定。ただし3時間遅れや時にはキャンセルもあります。
夕飯:8時予定。夕飯に関しては8時から11時過ぎまでいつ出るか全く読めません。

更には量等も決まっており、選手の大きさ等全く関係無し。
自分は基本的に少なかったので、その分を日本の保存食で補ったりしていました。

とまあ十分な栄養補給も出来ない上、休むにも休めないのが現状。
オフの日曜日なんかは7時に朝食だと叩き起こされます。でもおかげで仮眠はとれる時に寝るしかないという能力が身に付きます。

8時半から9時まで寝て、朝食だといったん呼ばれるけど、準備ができていないと確認したらまた寝る。そして運が良ければ11時まで寝れたりします。
無論、空腹に耐えられればの話ですが。

こんな感じのスケジュールにプラスαでいろんなチーム行事が追加されます。

中でも確定しているのがお祈り会。
ヘカリユナイテッドはすごいキリスト教の集団で、その全てを神に捧げいてます。練習前後と食事の前後のお祈りに加えて週4回お祈り会があります。
だから契約書にもきっちりこれへの参加が義務づけられています。

お祈り会は基本的にみんなで4、5曲歌を歌ってから専属の牧師さんが聖書を読み上げたりいろんな話をしたり、そしてまた曲を歌って最後にはみんなでお祈りといった流れです。

チームの牧師さんとその奥様、ソロモン人です。

お祈り会のスケジュールは、
水曜日と金曜日の夜7時から(予定)
日曜日は朝10時と夜7時(予定)

もう皆さんも「(予定)」の意味はお分かりですよね?
そう、PNGタイム、すなわち2、3時間の誤差は当たり前です。

ということで「オフ」とされている水曜日の午後や金曜日の午後、そして日曜日にもしっかりチーム行事が組み込まれているんです。よって事実上のいわゆる「オフ」は無いですね。

仮眠をとる上でのタイミング以外のもう一つの問題が気候。
僕が住んでいたポートモレスビーは年中夏。雨期と乾期はありますが、基本的に気温は日中常に30度を超えています。

そして僕が住んでいた家は屋根が鉄板でできていたため、めちゃくちゃ熱がこもるんです。
室内温度は10時半を過ぎると30度を超え始め、お昼までには35度に達します。

冷房はもちろん無く、天井にファンが付いているんだけど、しょっちゅう停電するため、空気の循環も出来ず、言うまでもなくとっても寝苦しい。汗はびっしょり。

回復してるのか、疲れが増しているのか分からなくなります。

とまあ長くなりましたが、ヘカリユナイテッドのスケジュールは試合日に疲れのピークを持ってきます。そして回復の間もなくまたそれの繰り返し。

でも意外とやれば慣れるもんで、最後の方は体が少ないイレギュラーな睡眠と栄養補給でも
そこそこがんばれる体質に変化してくれました。

辛いのは体よりも心。

外出禁止、映画鑑賞禁止、時間帯によっては読書すら禁止(聖書はオッケーです)、間食も禁止、特にお菓子やスナック類。携帯は試合が近くなると没収されます。
飲み物もスポーツ飲料がたまに支給される意外は水。水以外の飲み物は禁止。
と、娯楽ゼロの生活が選手には要求されます。
娯楽は神のみにあり。

つらい時は神を求めろ。サッカー、飯、お祈り以外の時間は寝ろ。
これがヘカリスタイルです。

少し長くなってしまいましたが、
これでまずは自分がおかれていたヘカリユナイテッドのシステムのイメージが皆さんに伝わればうれしいです。

これだけならいくらでも我慢する自信はありました。

次回からはトラブルの始まりに付いてお話いたします。

悠紀

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

試合頑張ってください。

piyoko さんのコメント...

なんかもう、いろいろ驚くことばかりですが、がんばっていただきたい!!
これでも海外のサッカー事情を知らないわけではないのですが……。

シュタルフ 悠紀 さんのコメント...

匿名さんへ、

ありがとうございます!
これからも一生懸命がんばります!


piyokoさんへ、

海外のサッカー事情に詳しいんですね!
日本と違って環境が厳しいところが多いので、いろいろと苦労はするけど、それを乗り越えて少しでも選手として成長していきたいなと思っています!
これからもいつまでもがんばります!コメントありがとうございました!